弁当の路上販売:東京都が実態調査へ…規制強化も


ニュースは東京の話であるが、弁当の路上販売は大阪でもなじみのある光景だ。

ビジネス街を歩くと昼前後の数時間、路上で弁当を売っている姿をよく目にする。

淀屋橋~本町界隈では、ワンコイン弁当やそれ以下の値段の弁当もみかける。

何度か試したことがあるが、ボリューム・味ともに及第点といえるレベルだ。

おなかも懐も満足、ということで重宝している人も多いであろう。


細かいことはよくわからないが、こういった店は「行商」扱いということらしく、保健所の指導基準や道路使用許可の基準が現状とあっておらず、知らず知らずのうちに「違法状態」である店は多いのであろう。

だが、「違法状態である」という理由で規制強化されたり、路上販売を排除するような動きがでるのは少しばかり違和感がある。

もちろんルールを遵守することは大切な事だ。

しかしそれは、ルールを守らないことで誰かが不利益を被ったり秩序が乱されたりすることの回避が目的。

ニュース記事にもあるが、弁当の路上販売で食中毒が多発したり、通行のトラブルの発生というのも聞かない。

そのような事もあるのだろうが「安い弁当を買える」という便益の方がはるかに上回っているのではないか。


道路の占有使用や、保健所の指導についてはほかの場面で気になったことがある。


例えばマンションや地域のお祭りで食べ物を提供する際の、保健所の「きめ細かい」指導。

どうも腑に落ちない。

例えば餅つき。

行政によって指導内容は異なるが、屋外でついてはいけない、その場で食べるのはNGで持ち帰りはOK等、細かく指導される。

今まで長い間続いていた行事であっても、保健所からの指導でおおきく中身を変えねばならないことがある。

とはいえ、指導を守ったからといって保健所が責任をとるわけではない。


またとある場所で毎年行われているイベントの話。

公園として扱われていたイベント敷地が、ある時道路として管理されるようになった。

そのために毎年そこで行われていたイベントは屋台等の出店ができず大幅に規模を縮小することになった。

念のため付け加えるとその場所は、公園から道路に変わったといっても名目上の用途が変わっただけで実態は何も変わっていなかった。


ルールを定める事、ルールを守る事、ルールを守らせるための仕組みがある事。

これらはとても大事である。

だが、恒常的にルールが守られていない状態であるものについては、多くの人がその方が良い、合理的であると考えていることも多い。

監督省庁には、「ルールが守られていないから」といって指導を強化するだけでなく、同時に、なぜそのような状態になっているのかまで考えそして対策を考えてほしい。

そうでなくては単なる思考停止である。