11月もそろそろ終盤。街にはイルミネーションがあふれ、ショッピングモールはクリスマス商戦に突入。クリスマスプレゼントと言えば、今も昔もおもちゃですが、今年は任天堂の3DSソフト「どうぶつの森」が売れているようです。

任天堂のヒットソフトといえばやはり「スーパーマリオ」と「ポケモン」ですが、「どうぶつの森」はこれらの人気ソフトと比べて大きな違いがあります。

それは「ゴールがないこと」。マリオもポケモンも「勝ち負け」や「クリア」といった明解なゴールがありますが、「どうぶつの森」にはそのような概念がありません。自分のペースでまったりと楽しむゲームです。

これって、ゲームに限らず世の中の趨勢なんでしょうね。今までのルールや他人の目を意識したゴールにこだわらない感じ。やりたいようにやって楽しむ。

例えば街選び。昔なら「いつかは田園調布」、関西なら「いつかは芦屋」、そこまで手が届かなくても「ニュータウンで一戸建て」なんてわかりやすいゴールがありましたが、いまはそのような「住宅スゴロク」のルールから外れて、それぞれのライフスタイルを考えて街選びをする人が、特に若い方中心に増えています。

JR「福島」駅界隈や、空堀商店街界隈の周辺。これらの場所は決して高級住宅街ではない、どころかどちらかといえば雑多な街並みです。しかし、福島はタワーマンション、空堀は町家(やそのリノベーション)を探す人にとって人気の高い街になっています。

「どうぶつの森」の公式サイトをみてみました。そこで見つけたワードは「自由気ままな、暮らしの楽しみ方」。これって、まさに今の家探し、街探しのトレンドと符合するではありませんか! 「どうぶつの森」のヒットは単なる偶然ではなく、住まい選びのトレンドをヒントとして任天堂が狙って出したのではないか? 任天堂の読みの深さに少し驚いてしました。